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明治日本の産業革命遺産
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OUV:世界遺産としての価値

Executive Summary:概要

産業日本の勃興

19世紀半ばから20世紀の初頭にかけ、日本は工業立国の土台を築いた。

明治における産業日本の勃興は、世界の歴史において特筆すべき出来事であった。西洋より地理的にも遠い東洋の島国は、19世紀の半ば、徳川幕府の鎖国政策により、欧米列強の植民地支配もしくは経済支配の及ぶことなく、西洋科学に門戸を閉ざしていた。徳川将軍家は、突如として江戸湾に現れたアメリカ合衆国東インド艦隊に、国の安泰を案じ、2世紀余りの鎖国政策を解いた。やがて明治新政府に政治が移り、社会制度の大改革を成し遂げると、開国と明治維新に伴う大きな変化の痛みを乗り越え、半世紀で人を育て、産業革命を受容する社会システムを築いた。明治日本の産業革命遺産は、わが国の重工業におこった大きな変化、国家の質を変えた半世紀の産業化を証言している。

日本は非西洋諸国で初めて、意志を以て産業化を成し遂げ、世界の舞台で近代国家として認知をされた国である。産業化を通して、国の社会的、経済的展望を大きく変え、産業化により、地政学上における日本の地位を、世界の舞台において確保した。その成功は、特に製鉄・製鋼、造船、石炭などの重工業における、西洋からの積極的な産業技術の導入プロセスに特徴づけられる。

本遺産群は19世紀半ばから20世紀の初頭にかけて、重工業(製鉄・製鋼、造船、石炭)分野において急速に産業化した道程を時系列に沿って証言している。「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船・石炭産業」は23の構成資産全体で顕著な普遍的価値を有している。

23の構成資産

エリア サイト 構成資産
萩の産業化初期の遺産群
鹿児島 集成館
韮山 韮山反射炉 韮山反射炉
釜石 橋野鉄鉱山 橋野鉄鉱山
佐賀 三重津海軍所跡 三重津海軍所跡
長崎 長崎造船所
高島炭坑
旧グラバー住宅 旧グラバー住宅
三池 三池炭鉱・三池港 三池炭鉱三池港
三角西港 三角西港
八幡 官営八幡製鐵所