明治日本の産業革命遺産
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PEOPLE

2020.08.14
Vol.41

観光ガイド歴18年、あふれ出る"三角西港愛"~世界遺産登録はゴールではなく、新たな出発点~

齊藤 万芳 氏(さいとうまんぽう)

三角西港観光ガイドの会 会長

齊藤 万芳 氏(さいとうまんぽう)
プロフィール

1949年2月 熊本県三角町(現・宇城市三角町)生まれ

1969年3月 熊本県果樹講習所卒業(短大資格)

1974年10月 文部省認定通信教育「東京農業大学」農業講座

      園芸科修了

1986年   三角西港の活用を目指して「三角を考える会」を

       設立、会長に就任

1999年   国の重要文化財指定に向けて「三角西港の文化、

       文学を考える会」を設立、会長に就任

2002年   三角町観光協会が母体となって組織した「三角西港

       観光ボランティアガイドの会」(現・三角西港観光

       ガイドの会)に参加し、会長に就任、現在に至る。

◇本業はミカン、デコポン、イチジクを生産する農家の三代目。人生訓は「一夫 義に立てば、回天の業なる」。

明治日本の産業革命遺産」の構成資産の1つである三角西港(熊本県宇城市三角町)の観光ボランティアガイドのリーダーとして活躍する齊藤万芳さん。“三角西港の生き字引”として知られる名ガイドであるだけでなく、30年以上にわたって国の重要文化財指定、ユネスコ世界遺産登録のために尽力してきた地元の推進役でもある。さらには地元自治体、教育機関、消防団、JAなど、あらゆる地域活動に精力的に取り組んできた。三角町と三角西港を愛し、日々、全力投球で地域活動を続ける齊藤さんを突き動かしているのは、「貴重な世界遺産を地域のために活かし、次の世代に伝えていく」という熱い想いだ。

■シンポジウム参加をきっかけに「三角を考える会」を設立

--齊藤さんはいつから三角西港のボランティアガイドを始められたのですか?

齊藤:平成14(2002)年に宇城市と合併する前の三角町の観光協会がつくった「観光ボランティアガイドの会」に参加した時からです。最初のメンバーは8人でしたが、今も続けているのは私だけになりました。 

--ということは、三角西港が「明治日本の産業革命遺産」の構成資産としてユネスコ世界産に登録されるずっと前からガイドの活動をされていたんですね。 

齊藤:そういうことです。当初はボランティアで始めたのですが、途中で有料になった時期があり、会の名前から「ボランティア」を外すなど多少の変更を行い、世界遺産登録の1年前の平成26(2014)年、正式に「三角西港観光ガイドの会」として再発足しました。その際に改めてボランティアガイドを募集し、講座を2回開いて合格した18人でスタートしました。今は12人ほどになりましたが、その間、私はずっと会長として活動を続けています。

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--おすすめの観光コースを紹介してください。

齊藤:明治中期に造成された三大石積み港の中で現存しているのは三角西港だけ。やはり、まずはこの756m続く石積みの埠頭を見ていただきたいですね。山の水を排出する3本の排水路もしっかりと残されています。それと、周辺にある古い建物群も明治の息吹を今に伝えています。「龍驤館」や「旧三角海運倉庫」、さらに街区の高台には「旧宇土郡役所」「旧三角簡易裁判所」といった建物が残っています。港だけでなく、当時の最先端の技術を駆使した建造物が現存していることも三角の魅力ですので、観光客の方々にはお楽しみいただけると思います。  

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--地元生まれの齊藤さんにとって、三角西港はまさに郷土の誇りなんですね。

齊藤:いやぁ、実は以前はほとんど知らなかったし、関心もなかったんですよ。三角西港と関わるようになったきっかけは、昭和58(1983)年に開催された「三角西港シンポジウム」に参加したこと。このシンポジウムは熊本大学の堀内清治先生をはじめとする研究者の先生方が企画されたもので、全国から500人以上の“三角西港ファン”が集まり、大盛況でした。この時初めて、「三角にもこんな素晴らしいところがあるんだ」と西港の歴史的価値を認識するようになり、勉強を始めたんです。そして昭和61(1986)年に、10人の仲間と一緒に「三角を考える会」を立ち上げました。

--具体的には、どのような活動をされたんですか?

齊藤:三角には楽しむ場所がない。そこで、三角西港の施設を使って遊んだというか、人を呼び込む楽しいイベントをいろいろと仕掛けていきました。例えば、平成2(1990)年に古い武家屋敷づくりの細川別邸で「お茶と琴の集い」を開いたり、50社ほどの協賛企業を募って「世界の食と音楽の夕べ」を定期的に開催して3,000円の会費で6,000円相当の食事を提供して楽しんでもらったりと、いろんな催しを全て手弁当でやってきました。

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