明治日本の産業革命遺産
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PEOPLE

2017.12.25
Vol.27

「遺産観光」の振興に向けたルート整備にいっそうの力を~忘れ難い故郷・呉への空襲と広島原爆の記憶~

保田 博 氏

一般財団法人産業遺産国民会議 代表理事

(公益財団法人資本市場振興財団 顧問)

保田 博 氏
プロフィール

昭和7年5月14日生まれ。

同32年 東京大学法学部卒業。大蔵省入省。経済企画庁長官官房長、大蔵大臣官房長、主計局長、大蔵事務次官などを歴任。

平成 6年 日本輸出入銀行総裁

平成11年 国際協力銀行総裁

平成13年 関西電力株式会社顧問

平成14年 日本投資者保護基金理事長

平成16年 株式会社資生堂社外監査役

  同年 財団法人(現公益財団法人)資本市場振興財団理事長

平成25年 一般財団法人産業遺産国民会議評議員、理事

平成26年 公益財団法人資本市場振興財団顧問

平成28年 一般財団法人産業遺産国民会議代表理事

--保田さんは産業遺産国民会議の代表理事として“オールジャパン”の推進体制を束ねる重責を担われています。そもそも保田さんが「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録活動に関わられるようになった経緯からお聞かせください。

この財団は平成25(2013)年9月に発足したわけですが、その2カ月前の7月14日にホテル・オークラで大々的なお披露目パーティーが開かれ、私もご招待されたんです。私の手帳の記録によると、その5日前の7月9日のことなんですが、私が参加しているある勉強会の会合に橋田紘一さん(産業遺産国民会議理事、㈱九電工取締役相談役)が加藤康子さん(同専務理事)を連れて来られ、その場にいた人たちに紹介なさったんです。この勉強会は今井敬さん(同名誉会長、一般社団法人日本工業倶楽部理事長)ら財界の有志による私的な勉強会なんですが、要するに「日本の産業遺産群をユネスコの世界遺産に登録しようという活動をしているので、皆さんで是非とも応援してほしい」という趣旨だったんですね。私はそのとき初めて「明治日本の産業革命遺産」についての構想の概略を詳しく伺いました。直接的なきっかけは、そんなことでしたね。

--その時の印象はどのようなものでしたか?

いやぁ、正直なところ、少し戸惑いましたね。なにしろ従来の世界遺産とはだいぶ趣が違いますから(笑)。私はその道の専門家ではありませんから、世界遺産というのはピラミッドのように“単発”のものが選ばれるんだろうくらいの認識でしたし、ましてや近代につながる生産設備などをまとめて登録するという。今も稼働している設備も多く、今後の維持や修繕など課題もある。これは果たして「文化財」と呼べるのだろうか。国、自治体、企業と関係者も多い。熱意はわかるが、なかなか容易ではないだろうなぁ……と、偽らざるところを申し上げれば、そんな感想を持ちました。

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Vol.27
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一般財団法人産業遺産国民会議 代表理事

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Vol.26
世界とつながる町~"長崎のたから"を"世界のたから"へ~

長崎市長

田上 富久 氏
Vol.25
「ICOMOS-TICCHI共同原則」の真価問われる"世界の実験場"~日本政府が推進する新たな保全へのチャレンジ~

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ディヌ・ブンバル(Dinu Bumbaru )氏
Vol.24
忘れ難いS・スミス氏との激論の日々 ~異文化の中で出会った"なじみ深い19世紀の産業遺産"~

世界遺産コンサルタント

バリー・ギャンブル(Barry Gamble)氏
Vol.23
歴史や文化を継承することは、次世代の技術革新を生み出す~"使いながら残す"に道を開いた「明治日本の産業革命遺産」~

工学院大学常務理事

後藤 治 氏
Vol.22
シリアル登録方式の保全管理に新たな道を拓いた「明治日本の産業革命遺産」-- 今後の大きな課題は「記憶と理解を引き継ぐ人材研修」

ヘリテージ保全並びに世界遺産の専門家としてグローバルに活躍する国際コンサルタント

ダンカン・マーシャル(Duncan Marshall)氏
Vol.21
ジャイアント・カンチレバークレーンと小菅修船場跡の3Dデジタル・ドキュメンテーション

The Glasgow School of Art’s School of Simulation and Visualization、データ・アクイジション責任者

アラステア・ローリンストン 氏
Vol.20
3D Digital Documentation of the Giant Cantilever Crane and Kosuge Dock

Head of Data Acquisition at The Glasgow School of Art’s School of Simulation and Visualisation

Alastair Rawlinson
Vol.19
日本で注目される「産業遺産」

ヒストリカル・スコットランド、産業遺産担当責任者

マイルス・オグレソープ博士
Vol.18
Japan's Uplifting Industrial Heritage

Head of Industrial Heritage, Historic Environment Scotland, Edinburgh

Dr Miles Oglethorpe
Vol.17
「スコティッシュ・テン プロジェクト」によるデジタル文書化

ヒストリック・スコットランド

スコティッシュ・テン プロジェクト・マネージャー

リン・ウィルソン博士
Vol.16
The Scottish Ten Project

Scottish Ten Project Manager, Historic Environment Scotland, Edinburgh

Dr Lyn Wilson
Vol.15
富士山と韮山反射炉、2つの世界遺産を一望できる茶畑の丘 --次の夢は「子どものためのミニ反射炉」で体験学習

静岡県伊豆の国市長

小野 登志子 氏
Vol.14
Path to becoming a World Heritage Site

Pro-Provost and Chairman of Council of the Royal College of Art. Heritage advisor of Canal & River Trust for England and Wales.

Sir Neil Cossons
Vol.13
登録までの道のりと資産の今後を見つめて

ロイヤル・カレッジ・オブ・アート副学長・評議会議長

イングランド・ウェールズにおけるカナル&リバートラスト遺産顧問

ニール・コソン卿
Vol.12
正確な情報発信の中で、歴史を見つめるきっかけに

東京立正短期大学 学長

慶應義塾大学 名誉教授

工藤 教和 氏
Vol.11
「ものづくりの街・北九州」への愛着と誇り--"シビック・プライド"を呼び起こしてくれた世界文化遺産登録

北九州市長

北橋 健治 氏
Vol.10
世界遺産登録決定祝賀会レポート(@ドイツ・ボン)

2015年6月28日から7月8日まで、ドイツ・ボンにて第 39 回世界遺産委員会が開催され、「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録が決定しました。

今回は、世界遺産登録決定祝賀会の様子をお伝えいたします。

<世界遺産登録の舞台裏>
Vol.9
使いながら保存する-「稼働遺産」の保存・活用に新たな道を拓く

阪神高速道路株式会社 取締役兼常務執行役員

(一般財団法人産業遺産国民会議 理事)

岡本 博 氏
Vol.8
港湾法の体系で、世界遺産の保全を担保する

静岡県副知事

難波 喬司 氏
Vol.7
近代化を切り拓いた長州ファイブと試行錯誤の痕跡を残す萩の資産

萩市長

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Vol.6
日本の「ものづくり」「産業」の原点を伝える「明治日本の産業革命遺産」

東京地下鉄株式会社 代表取締役会長

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Vol.5
日本の近代工業化を石炭産業によって支えた三池エリア

大牟田市長

古賀 道雄 氏
Vol.4
国家、社会のため、広い視野と使命感を持って試行錯誤しつつ挑戦し続けた「明治の産業革命」の意義

文部科学省 生涯学習政策局 生涯学習総括官
前 内閣官房 内閣参事官

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Vol.3
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野田 武則 氏
Vol.2
強く豊かな国家を目指して 薩摩藩主島津斉彬が築いた『集成館』

一般財団法人産業遺産国民会議 理事

島津興業 相談役

島津 公保 氏
Vol.1
産業国家日本の原点 『明治日本の産業革命遺産』を次世代へ

「九州・山口の近代化産業遺産群」世界遺産登録推進協議会 会長/鹿児島県知事

伊藤 祐一郎 氏