明治日本の産業革命遺産
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PEOPLE

2020.03.31
Vol.38

産業遺産の主役は「人」~世界遺産登録を経て再認識した故郷の素晴らしさ~

小笠原 静子 氏

峠の茶屋 オーナー

小笠原 静子 氏
プロフィール

■釜石市橋野町出身。

「青ノ木主婦の会」での活動を経て

2012年4月に「峠の茶屋」をオープン

■峠の茶屋情報

岩手県釜石市橋野町第2地割ー38番地

0193-57-2005

営業時間11時~15時

完全予約制

アクセス 釜石駅から車で50分

「峠のカレー」が名物だが、その他郷土料理も提供可

人と人を結ぶ「峠の茶屋」の名物カレー

 私が営む「峠の茶屋」は橋野インフォメーションセンターから橋野高炉跡へ向かう途中にあります。2012年の4月にオープンした時、私は70歳でした。みなさんビックリなさるけど、私は「まだ70歳なんだから」と思って始めたんですよ。やってよかったなと思ってます。だって、いろいろな人と知り合えて楽しいもの。ここには世界中からいろいろな人が来ます。若い人から老人まで年齢層も広いし、学生さんも社会人も、ご家族で来られる方もいます。でも誰もに共通していることがあるんです。それはお腹が空いているということ。

カレー1.JPG

 「峠の茶屋」では世界遺産に登録される前から橋野高炉をイメージして盛りつけた「峠のカレー」をお客様に提供していました。わざわざ遠くから来てくださった方にどこにでもある食事を出すのは悪いな、印象的な食の思い出をお土産に持ち帰ってほしいなと考えて自分で考案したんです。100円ショップで買ってきたコップでライスを型どって、その上に梅酢で赤く色づけしたチョロギをちょこんと乗せて高炉に見立て、店の裏の畑で育てた野菜を添えて。もちろんカレーも手作りです。地元でとれたアカシアのはちみつを入れたり、干し柿を入れたり……。実はとろみにも秘密があるんです。最初は上手くいかなかったけど、お正月の飾り餅を見て「これだ!」と閃いて試してみたらいい感じだったので、以来、お餅を使ってます。労力も採算も度外視。いいと思ったら何でもやってみるんです。

 「これで500円ですか? 都会なら3倍くらいしますよ」と言ってくださる方もいますが、私は「美味しい!」と喜んでいただけたら幸せ。「美味しい」は人と人を近づける魔法の言葉ですね。「美味しいです」と声をかけていただくことから会話が始まることが多くて、「どこから来たの?」とか「どんな仕事をしているの?」とか訊いているうちに悩みを打ち明けられることもあります。

このあいだも「転職するか迷いがある」と言う若い方に「なんでもやってみたら?」とアドバイスしたら泣き出してしまって。きっと誰にも言えずにいたのでしょう。私、その時に言いました。「この先だって苦しいことや悲しいことがあるかもしれないけれど、そんな時には橋野高炉でおばあさんが作ったカレーを食べたなと思い出してね」って。ちょっとおこがましいけれど、縁あって出会えた人を応援したいのです。私自身もたくさんの人に支えられて今があるものですから。

(写真)裏の庭で作った無農薬の野菜。形は歪でも味は一級

野菜.JPG

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忘れ難いS・スミス氏との激論の日々 ~異文化の中で出会った"なじみ深い19世紀の産業遺産"~

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2015年6月28日から7月8日まで、ドイツ・ボンにて第 39 回世界遺産委員会が開催され、「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録が決定しました。

今回は、世界遺産登録決定祝賀会の様子をお伝えいたします。

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