明治日本の産業革命遺産
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PEOPLE

2020.02.05
Vol.37

すべては長崎の経済発展のために~海運業の枠を超え、長崎の文化や産業遺産の歴史を伝承~

伊達 秀則 氏 伊達 昌宏 氏

やまさ海運株式会社会長

やまさ海運株式会社社長

伊達 秀則 氏 伊達 昌宏 氏
プロフィール

■伊達 秀則

(業務歴)

昭和21年 先祖代々の家業 内航海運業に従事

昭和41年 家業を法人化し「やまさ海運株式会社」

     代表取締役に就任

平成27年 同社 取締役を退任するも「会長」として、

     ほぼ毎日勤務し現在に至る

(団体歴)

平成10年 長崎地区海運組合 理事長、九州地方海運組合連合会

     副会長 並びに、全国海運組合連合会 理事に就任し、

     内航海運業の発展のため尽力

(賞罰)

平成12年 運輸大臣表彰(海事功労による)

平成29年 黄綬褒章受章


■伊達 昌宏

昭和60年 東京商船大学を卒業し、東京の

      大手内航海運会社に就職

昭和63年 「やまさ海運株式会社」に就職

平成10年 同社 代表取締役に就任し現在に至る

すべては長崎の経済発展のために~「明治日本の産業革命遺産」の構成資産に恵まれた土地との縁に感謝し、文化の伝承に務めていきたい

「やまさ海運」は、明治日本産業革命遺産が世界遺産に登録される以前から「長崎港巡り」「軍艦島上陸コース」「軍艦島周遊コース」といったクルーズ観光を通じて観光振興に努めてきた。世界遺産ルートの推進に貢献してきたことが高く評価され、2016年に設立された「明治日本の産業革命遺産ルート推進協議会」より、2年連続で感謝状が贈呈されている。観光産業の活性化を引率する「やまさ海運」会長の伊達秀則氏と社長の伊達昌宏氏に、今後の課題である《いかにして「明治日本の産業革命遺産」の価値を広め、未来へつなげていけばよいのか》について伺った。

――まず最初にやまさ海運さんのルーツを伺いたいのですが

伊達会長: 歴史的には徳川幕府の時代に始まり、先祖代々、船を生業とし事業を継承して、私は11代目になります。やると決めたらやるといった責任感の強さは先祖代々、脈々と受け継がれてきたものかもしれません。

 私は南島原市有家町の出身で終戦と同時に家業の内航海運事業を始めました。有家町を基軸に長崎市の高島や端島(軍艦島)で採掘された石炭の海上輸送を行って参りました。戦後の地元産業の発展とともに繁栄し、更には九州から京浜地域への農産物等の海上輸送、後に主力事業となる鋼材専用運搬船建造に向けての基盤を築くことができました。

伊達社長: 長崎市に現在の会社を設立したのは昭和41年です。更なる事業の拡大を考えたときに弊社が掲げたモットーは「無から有を作り出す」と「真の歴史を伝承していく」との二つでした。こうした信念のもと、1996年(平成8年)に新たに「軍艦島遊覧航路」と「長崎港遊覧航路」の2つの旅客航路の開発に着手し、翌年からスタートしたのです。

伊達会長: 観光船事業の開発は、長崎の地域経済発展を念頭に事業に取り組んだことでした。昭和57年7月末の集中豪雨によって発生した「長崎大水害」の大惨事の影響により、長崎の経済が冷え込んでしまって、何からどう手をつけたらいいのか行政もわからんような状況だったのです。そのような中において、平成10年頃には長崎半島南部地域の地域観光活性化として、長崎市・野母崎町・三和町香焼町高島町伊王島町・長崎県亜熱帯植物園・長崎国際観光コンベンション協会、及び弊社にて構成された「長崎南部観光誘致協議会」の発足より、1市5カ町の合併するまで、弊社は同協議会の事業にも積極的に参加協力したものの、なかなか長崎の地域振興・観光振興に結び付かなかった。どうしたものかと頭を抱えていたところ、平成15年頃の1月に、長崎地区海運組合の理事長をしていた私は東京の砂防会館で行われた内航海運組合総連合会の新年会に出席し、その折に当時の総理大臣 小泉純一郎氏から長崎は石炭の島、炭坑の島としての歴史を観光資源にするべきだとご指摘を受けました。このことが今に続く遊覧航路産業の第一歩となったのです。

 端島で石炭が発見されたのは1810年(文化7年)。1870年に石炭採掘が開始され、1890年からは三菱の所有となり、1974年(昭和49年)の1月15日に閉山するまでの104年間、炭坑の島として日本の近代化を支えてきました。端島の石炭は純度が高く、非常に上質だったんですね。灰分や硫黄分が少なく、黒色をした大変固い石炭で、製鉄業に必要なコークスの原料となる優良な炭だった。こうしたことから高島に続き、端島でも画期的な採掘技術が採用されており、日本の石炭産業、延いては産業革命に大きな貢献を果たすことになりました。このことに私自身も大きな誇りを覚えていたので小泉さんの言葉に深く納得し、「軍艦島遊覧航路」を開発するという形で実行に移したのです。

伊達社長: 私にしても子供時代から小学校の社会科授業で、長崎の三大産業は石炭産業、造船業、水産業であると習っていました。とはいえ閉山後、廃墟と化して忘れ去られていた軍艦島に脚光を集めるというのは至難の業で。平成9年に「軍艦島遊覧航路」をスタートさせたもののお客様がゼロとか、多くても3人と苦戦を強いられました。

⑥IMG_5247 - コピー.JPG

(写真)伊達会長が大切に保管されている、軍艦島で採掘された石炭。端島炭坑で働いていた方からもらわれたもの。

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今回は、世界遺産登録決定祝賀会の様子をお伝えいたします。

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