明治日本の産業革命遺産
JAPANESE  ENGLISH

PEOPLE

2019.10.02
Vol.34

不屈の開拓精神と先人のパワーで時代を切り拓いた歴史~後世へ受け継がれる希望と大きな力~

高木 義明  氏

国民民主党長崎県連代表

高木 義明  氏
プロフィール

1945年生まれ。山口県出身。

1964年山口県立下関工業高校卒業。

出身分野:議員

当選回数:衆議院9回

1975年4月長崎市議会議員

1987年4月長崎県議会議員

1990年2月衆議院議員

1998年8月衆議院石炭対策特別委員長

2004年1月衆議院農林水産委員長

2010年9月文部科学大臣(菅改造内閣)

2011年1月文部科学大臣(菅再改造内閣)(留任)

2012年10月衆議院議院運営委員長

2012年12月民主党国会対策委員長

2017年9月衆議院解散をもって国会議員を引退

ーー加藤六月先生譲りのバイタリティーに触れて

 私が加藤康子さんと初めてお目にかかったのは、2000年頃だったか……。私は、98年から2年間に渡り衆議院石炭対策特別委員長を務めていました。そうしたことから、橋本希俊さん(元県議会議員)よりお声がけいただき、野母崎町・高浜(現・長崎市)で行われた「軍艦島を巡る市民運動」に参加しました。軍艦島が真正面に見える場所にムシロを敷いてバーベキューをしながら語り合うといったものでした。
 当時、康子さんから伺ったのは「三池港を始めとする九州・山口地区の歴史ある産業関連施設を世界遺産に登録するという発想を抱いています」というものでした。意見の相違を超え、誰もが「世界遺産とは大きく出たな」と一様にポカンとしてしまったという感じでしたね(笑)。
 私は康子さんのお父様にあたる加藤六月先生にお世話になり、非常に尊敬しておりましたので、何よりもまず加藤先生とのご縁を感じて感激しました。さらに「康子さんは先生譲りの正義感やバイタリティーを備えておられる」と感じて嬉しくなったことを覚えています。

ーー産業遺産は日本の誇り

 私の政治活動は1975年4月、長崎市議会議員に選出されたことから始まります。それ以前は三菱重工長崎造船所で労働組合執行役員をしておりました。岩崎弥太郎の時代に始まった長崎造船所が日本の近代化に果たした役割の大きさを深く認識していたので、「日本の産業遺産」は世界遺産に登録する価値があるという康子さんのお考えに賛同したのです。
 たとえば三菱長崎造船所内の資産の一つである「ジャイアント・カンチレバークレーン」はスコットランド製で、設置してから100年を経た今でも現役で稼働しています。優れた機械をいち早く導入したという先見の明もさることながら、今日に至るまで大切に使い続け、日本の産業を支えているという点においても素晴らしい。「三菱長崎造船所」と同様に稼働資産である「官営八幡製鐵所」や「三池港」も多大な価値がある。稼働資産に限らず産業遺産は日本が世界に誇るべきものだという思いがありました。
 アジアの一角で世界に冠たる技術を高め、産業を興し、短期間で経済大国へと成長した日本の歴史は、日本人が不屈の精神を備えていることを物語っています。初めて康子さんとお目にかかった頃、既に世の中はAIの時代を迎えるだろうと言われ始めていましたが、そういう時代が来れば来るほど、先人のパワーが語り継がれるべきだという想いでした。AI一色となった世界の中で人々は精神性の大切さを忘れて軸がブレてしまうこともあるでしょう。その時に「日本には開拓精神とマンパワーで時代を切り拓いた歴史がある」という事実が伝承されていれば、日本人の大きな力になるはずだと。
 産業遺産の世界遺産登録に力を注がれた方々はみなさん同様に、未来の人々に希望を与えるために、ひいては日本経済の発展に貢献したいという一心で活動しておられたことと思います。

Backnumber>一覧へ
Vol.36
釜石の奇跡と、震災を乗り越えて~世界遺産登録という大きなチャンス~

宝来館 女将

岩崎 昭子 氏
Vol.35
韮山反射炉とともに後世に伝えたい「850年の歴史資料」 ~待望の新・収蔵庫が完成、保存・修復・活用に弾み

公益財団法人江川文庫 代表理事

江川家42代当主

江川 洋 氏
Vol.34
不屈の開拓精神と先人のパワーで時代を切り拓いた歴史~後世へ受け継がれる希望と大きな力~

国民民主党長崎県連代表

高木 義明  氏
Vol.33
軍艦島は「地球と人類の未来への警告のメッセージ」~元島民ガイドが訴える想いと願い~

NPO法人軍艦島を世界遺産にする会 理事長

坂本 道徳 氏
Vol.32
「シンクロニシティー」が生んだ世界遺産登録という奇跡~想いの強さが志ある人々の共感を呼び起こした!~

エム・アイ・コンサルティンググループ株式会社 代表取締役

大上 二三雄 氏
Vol.31
日本の人達にパワーを~明治日本の産業革命遺産の使命~

渡辺プロダクショングループ代表・株式会社渡辺プロダクション名誉会長

渡邊 美佐 氏
Vol.30
産業遺産の歩みを"100年後を生きる人々"への希望に

参議院議員

平野 達男 氏
Vol.29
"21世紀の薩摩ステューデント"よ、未来を創れ!~旧集成館は鹿児島観光の情報発信拠点~

鹿児島県知事

三反園 訓 氏
Vol.28
各地域に着実に広がる「つながりあるストーリー」という意識~保全管理・インタープリテーションのあり方には課題も~

世界遺産コンサルタント

サラ・ジェーン・ブラジル(Sarah Jane Brazil)氏
Vol.27
《為せば成る為さねば成らぬ何事も》~人とつながるための勇気や行動力を~

特定非営利活動法人 九州・アジア経営塾 理事長兼塾長

株式会社SUMIDA 代表取締役

橋田 紘一 氏
Vol.26
「日本人として、世界に対して誇りを持って発信できる世界遺産」〜内閣官房・有識者会議の流れを決したジャーナリストの視点〜

ジャーナリスト、「下村満子の生き方塾」塾長

下村 満子 氏
Vol.25
クラシックカーが「明治日本の産業革命遺産」を走る!~2019年、九州で「ラリーニッポン」を開催~

一般財団法人ラリーニッポン 代表理事

小林 雄介 氏
Vol.24
着々と進む"世界遺産周遊ルート"の整備・振興 ~推進協議会、多彩なプロモーションで世界に向けて魅力発信!~

明治日本の産業革命遺産世界遺産ルート推進協議会会長

一般財団法人産業遺産国民会議理事

(九州旅客鉄道株式会社 相談役)

石原 進 氏
Vol.23
「遺産観光」の振興に向けたルート整備にいっそうの力を~忘れ難い故郷・呉への空襲と広島原爆の記憶~

一般財団法人産業遺産国民会議 代表理事

(公益財団法人資本市場振興財団 顧問)

保田 博 氏
Vol.22
世界とつながる町~"長崎のたから"を"世界のたから"へ~

長崎市長

田上 富久 氏
Vol.21
「ICOMOS-TICCIH共同原則」の真価問われる"世界の実験場"~日本政府が推進する新たな保全へのチャレンジ~

ヘリテージ・モントリオール政策部長

ディヌ・ブンバル(Dinu Bumbaru )氏
Vol.20
忘れ難いS・スミス氏との激論の日々 ~異文化の中で出会った"なじみ深い19世紀の産業遺産"~

世界遺産コンサルタント

バリー・ギャンブル(Barry Gamble)氏
Vol.19
歴史や文化を継承することは、次世代の技術革新を生み出す~"使いながら残す"に道を開いた「明治日本の産業革命遺産」~

工学院大学常務理事

後藤 治 氏
Vol.18
シリアル登録方式の保全管理に新たな道を拓いた「明治日本の産業革命遺産」-- 今後の大きな課題は「記憶と理解を引き継ぐ人材研修」

ヘリテージ保全並びに世界遺産の専門家としてグローバルに活躍する国際コンサルタント

ダンカン・マーシャル(Duncan Marshall)氏
Vol.17
ジャイアント・カンチレバークレーンと小菅修船場跡の3Dデジタル・ドキュメンテーション

The Glasgow School of Art’s School of Simulation and Visualization、データ・アクイジション責任者

アラステア・ローリンストン 氏
Vol.16
日本で注目される「産業遺産」

ヒストリカル・スコットランド、産業遺産担当責任者

マイルス・オグレソープ博士
Vol.15
「スコティッシュ・テン プロジェクト」によるデジタル文書化

ヒストリック・スコットランド

スコティッシュ・テン プロジェクト・マネージャー

リン・ウィルソン博士
Vol.14
富士山と韮山反射炉、2つの世界遺産を一望できる茶畑の丘 --次の夢は「子どものためのミニ反射炉」で体験学習

静岡県伊豆の国市長

小野 登志子 氏
Vol.13
登録までの道のりと資産の今後を見つめて

ロイヤル・カレッジ・オブ・アート副学長・評議会議長

イングランド・ウェールズにおけるカナル&リバートラスト遺産顧問

ニール・コソン卿
Vol.12
正確な情報発信の中で、歴史を見つめるきっかけに

東京立正短期大学 学長

慶應義塾大学 名誉教授

工藤 教和 氏
Vol.11
「ものづくりの街・北九州」への愛着と誇り--"シビック・プライド"を呼び起こしてくれた世界文化遺産登録

北九州市長

北橋 健治 氏
Vol.10
世界遺産登録決定祝賀会レポート(@ドイツ・ボン)

2015年6月28日から7月8日まで、ドイツ・ボンにて第 39 回世界遺産委員会が開催され、「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録が決定しました。

今回は、世界遺産登録決定祝賀会の様子をお伝えいたします。

<世界遺産登録の舞台裏>
Vol.9
使いながら保存する-「稼働遺産」の保存・活用に新たな道を拓く

阪神高速道路株式会社 取締役兼常務執行役員

(一般財団法人産業遺産国民会議 理事)

岡本 博 氏
Vol.8
港湾法の体系で、世界遺産の保全を担保する

静岡県副知事

難波 喬司 氏
Vol.7
近代化を切り拓いた長州ファイブと試行錯誤の痕跡を残す萩の資産

萩市長

野村 興兒 氏
Vol.6
日本の「ものづくり」「産業」の原点を伝える「明治日本の産業革命遺産」

東京地下鉄株式会社 代表取締役会長

安富 正文 氏
Vol.5
日本の近代工業化を石炭産業によって支えた三池エリア

大牟田市長

古賀 道雄 氏
Vol.4
国家、社会のため、広い視野と使命感を持って試行錯誤しつつ挑戦し続けた「明治の産業革命」の意義

文部科学省 生涯学習政策局 生涯学習総括官
前 内閣官房 内閣参事官

岩本 健吾 氏
Vol.3
「鉄は釜石から八幡へ」 近代製鉄発祥の地から誇り高き文化を伝える

釜石市長

野田 武則 氏
Vol.2
強く豊かな国家を目指して 薩摩藩主島津斉彬が築いた『集成館』

一般財団法人産業遺産国民会議 理事

島津興業 相談役

島津 公保 氏
Vol.1
産業国家日本の原点 『明治日本の産業革命遺産』を次世代へ

「九州・山口の近代化産業遺産群」世界遺産登録推進協議会 会長/鹿児島県知事

伊藤 祐一郎 氏