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明治日本の産業革命遺産
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2018.07.04

長崎で体験すべき5つのこと

九州の北西岸に位置し、大きな港がある長崎は、活気に満ちた、魅力的で美しい都市です。訪れたことがある方も、日本は初めてという方も、長崎には、体験すべきことが沢山あります。では、どこから始めればよいのでしょうか。

5)世界的に有名なお祭りで独特の文化に浸ろう

photo by: @hirochanman5963

長崎では、四季ごとにお祭りがあります。それらのお祭りのほとんどが、多様な文化から成り立っている長崎らしいものです。春の「長崎帆船まつり」(オランダ)、冬の「長崎ランタンフェスティバル」(中国)、秋の「長崎くんち」、そして、ほぼ毎週のように開かれる夏祭りなど、いつでも何かしら興味深いイベントがあるのです。

諏訪神社の秋季大祭「長崎くんち」は、毎年10月7日から9日に長崎で催されます。400年以上の歴史があるこの祭りは、長崎の街や歴史を形作る上で重要な役割を担ってきた中国とオランダの文化の影響を大きく受けています。祭りの名称である「くんち」は「9日」を意味しており、太陰暦の9番目の月の9番目の日に祭りが行われます。

「長崎ランタンフェスティバル」(写真)は、中国の旧正月の最初の15日間に開かれます。もともとは長崎の中華街の中のみで行われていた祭りでしたが、1994年にその規模を拡大し、今では長崎の一大イベントとなっています。街中に1万5000個以上のランタンが飾られるほか、見どころとしては、点灯式や中国雑技、獅子舞や龍踊り、中国のパフォーマンスやショー、胡弓の演奏、皇帝パレード、媽祖(航海安全の女神)行列、さらには親善大使のキャンペーンレディなどがあります。

4)温泉に浸かってリラックスして、悩みも忘れよう

日本に旅行したら、絶対に、伝統的な和の宿泊施設である旅館に泊まるべきです。温泉のある旅館であれば尚理想的です。長崎からさほど遠くないところ、日本初の国立公園内に雲仙地獄はあります。雲仙温泉は、雲仙岳の山頂近くにある温泉街です。日中は、もうもうと立ち上る火山の噴気や間欠泉を見て回るのもお勧めですが、夕方遅く、あるいは早朝には、日本の習慣に倣って、温泉にのんびりと浸かるのが最高ですね。

近くに火山があるため、雲仙の温泉は、硫黄分が多いことで知られています。1日の終わりに、筋肉痛をほぐし、くつろぐのにまさにうってつけです。写真は、旅館の屋上にあり、山々の素晴らしい眺めが楽しめる露天風呂です。

3)美味しい地元のお食事を試してみよう

かつて長崎は、海外に開かれた国内唯一の港で、外国人が日本を訪れる際の玄関口としての役割を果たしていました。それらの外国人により、海外の料理や調理法が日本にもたらされ、やがて、それらが長い年月を経て日本人好みに「進化」しました。そうして生み出された2つの美味、ちゃんぽんとカステラは長崎の名物となっています。

ちゃんぽん

ちゃんぽんは、長崎名物として最も有名な麺料理で、中国から入ってきたものです。食材はシンプルで、海産物に野菜、豚肉、ちゃんぽん用の特製ラーメン麺で作られます。最初にちゃんぽんを考案したのは、長崎の中華料理店、四海楼です。四海楼のちゃんぽんの由来によると、ルーツは福建料理で、明治時代、日本で暮らす中国人留学生の口に合う、安くてボリュームのある食事として生み出されました。今では、ちゃんぽんのレシピも進化し、人気の長崎料理となっています。個人的には、発祥の店、四海楼のちゃんぽんが最も好きです。四海楼からは山と港を一望でき、息をのむような素晴らしい眺めも楽しめます。

photo by: @shiho_rbka

カステラ

もう1つの長崎名物、カステラは、軽くてふわふわのスポンジケーキです。この人気のお菓子は、小麦粉、鶏卵、砂糖、水飴でできています。カステラがポルトガル人商人によって日本に初めて伝えられたのは、ポルトガルが日本との貿易や宣教活動を始めた16世紀のことでした。当時、長崎は国内で唯一海外との貿易が認められていた場所でした。「カステラ」という名前の由来は、ポルトガル語の「パン・デ・カステラ」(カスティーリャ地方のパンの意)と言われています。
カステラの味は、長い年月をかけて、より繊細な味わいを好む日本人の口に合うように、改良が重ねられてきました。つまり、甘さ加減がちょうど良いお菓子になっていったのです。

2)有名な旧グラバー住宅の和洋折衷建築物を楽しもう

Photo by @chiko.photo

スコットランド出身の商人、トーマス・B・グラバーは、日本の産業化に重要な役割を果たした人物です。船舶、機械類、武器の輸入を手がけ、日本の近代化に寄与しました。1863年に建設された彼の旧居、旧グラバー住宅は、英国のコロニアル様式と日本の伝統的な建築技術が融合した和洋折衷の建築物です。

例えば、フランス窓や石張りのベランダ、格子造りのアーチなどは、明らかにヨーロッパ風の要素であるのに対して、屋根には日本の影響が見られ、魔よけのための鬼瓦が葺かれています。その屋根には、後年、紛れもなく英国風の煙突が付け加えられています。

グラバー園の敷地からは美しい長崎港が一望でき、そこに建つグラバー住宅は、現存する日本最古の木造洋風建築です。

1)廃虚の島、謎めいた「軍艦島」を探索しよう

photo by: @gunkanjima_gdm

長崎市から約15 kmのところに、端島炭鉱(軍艦島)があります。かつては世界一人口密度が高い場所であった軍艦島。しかし、この人工島は、1974年の閉山後は廃虚となっています。現在、この島を有名にしているのは、自然以外には動くものの気配すらない、がらんとした無人のコンクリート建物群の印象的な姿でしょう。端島の通称として有名な「軍艦島」という呼び名は、そのシルエットが軍艦に似ていることから付けられたものです。

1810年、この地域で石炭が発見されると、その後の石炭産業の成功により、端島は、大きさ、人口ともに著しく増大しました(1960年代の軍艦島の人口密度は東京の9倍以上)。1900年代初頭、人口の急増を受けて、日本初の鉄筋コンクリート造りの高層集合住宅が建設されました。これらの建物は現在も残っています。

photo by: @onsen_azarasi

軍艦島については、最近も、注目の的となっています。というのも、この島で働いていた朝鮮半島出身の労働者の労働時間や労働の内容についても、関係者間で意見が一致していないからです。

軍艦島デジタルミュージアム

モデルルームやビデオ、バーチャルリアリティ(VR)による軍艦島探検など、インタラクティブな展示を通じて、軍艦島(端島炭鉱)の歴史が学べます。英語の音声ガイドも用意されています。ツアーの詳細は下記をご参照下さい。

長崎へ行ったことはありますか?もしくは日本の他の地域へ行ったことはありますか?このリストに付け加えたいと思う場所はありますか?日本を旅行してみて、一番気に入ったのはどこですか?ご意見をお寄せください。
このブログで取り上げたUNESCO世界遺産のいくつかの構成資産について、詳しくはこちらをご覧ください。

文:アナヒタ・マーディ
2012年から世界を旅行しブログを執筆。
オンタリオ州出身のカナダ人トラベルライター。
2016年からアジアへ移住、現在は日本在住。
https://www.adventurewithana.com/
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