薩摩藩は日本列島の南の玄関口に位置し、諸藩のなかではとりわけ外洋での和船の操縦法に長けていた。阿片戦争で大国・清が敗れてからというもの、海防の危機感が高まり、諸藩に先駆け大砲の鋳造や蒸気船の建造に挑戦した。開明の殿様島津斉彬が藩主になると、桜島を望む島津家の別邸に、仙巖園の隣地を切り開き、「集成館」という日本初の工場群を建設した。大船建造の禁が解かれると、幕府の奨励に呼応し、和船の技術で三本マストの洋式帆船「昇平丸」を建造し、外国船と区別するため日の丸を掲げた。また、直ちに江戸・薩摩双方において蒸気機関の製作を命じた。藩士たちは蒸気船技術書の訳本を片手に、試行錯誤の末、1855年、日本初の蒸気船「雲行丸」を建造。長崎海軍伝習所より訪れたオランダ人教官を驚かせた。
画像提供:尚古集成館
許可なく写真の複製、本文、内容の引用を固く禁じます。
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旧集成館
文化財指定: | 国指定史跡 |
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所在地: | 〒892-0871 鹿児島県鹿児島市吉野町9700-1 |
Tel: | 099-247-1511 |
FAX | 099-248-4676 |
開館時間: | 8時30分~17時30分 |
休館日 | 年中無休 |
アクセス |
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駐車場 | 有(バス50台 乗用車500台) |
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