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明治日本の産業革命遺産
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2019.10.28

大牟田で体験すべき5つのこと

福岡県の最南端、西は有明海に面し、北東は三池山を臨むところに、大牟田市はあります。エリアとしては広くはありませんが、見どころや体験できることがたくさんあり、一訪の価値があります。

5. おおむた『大蛇山』まつりで文化に浸ろう

(Photo of by @ n.chuusan0914)

おおむた『大蛇山』まつりは、大牟田市を代表する夏のイベントです。7月の第4土曜日と日曜日に行われ、毎年30,000人以上が参加しています。

祭りの起源は、大蛇山が生まれた350年以上前に遡ると考えられています。言い伝えによると、水神信仰の水の神(蛇や龍が象徴)と祇園信仰(農業と悪病よけ)とが絡み合い、伝説の大蛇山が生まれたとされています。

祭りの間、大蛇を模した山車「大蛇山」に人が乗り、太鼓や鐘を打ち鳴らしながら、町中を練り歩きます。長さ10メートル強、重さが約3トンにもなる「大蛇山」には、山車に和紙や竹を組み合わせて作った大蛇の頭・胴体・しっぽが飾り付けられています。その大蛇は、200人以上に及ぶ「大蛇山」の引き手に生命を吹き込まれ、頭を動かしたり、かっと目を見開いたり、裂けるように開いた口から(手持ち花火によって)火や煙を吹いたりします。
(photo by: @mie.38_k)

祭りの他のハイライトとしては、花火大会や港祭り、一万人の総踊りがあげられます。一万人の総踊りでは、10,000人以上もの人々が「大蛇山ばやし」や「炭坑節」の曲に合わせ、約2 kmにわたり列をなして踊りを繰り広げます。このイベント中のイベントをお見逃しなく!
(Photo of by @ n.chuusan0914)

4. 温泉に浸かってリラックスすれば、悩みも忘れる

大牟田市からそれほど遠くないところに、三加和温泉、平山温泉、山鹿温泉などの有名な温泉があります。これらの温泉は、長い旅の一日の終わりに、疲れた筋肉をほぐしてくれることでしょう。歴史通なら、370年の歴史がある山鹿温泉のさくら湯を忘れずに訪ねましょう。木造の建物で、当初は藩主や幕府の役人しか利用できませんでしたが、現在は一般に開放されています。同施設は、江戸期の建築様式を今も留めています。
(photo of Hirayama Onsen by @djosamum)

3. 素晴らしい四季折々の動植物に目を向けよう

日本は春の桜で有名ですが、他にも見るべき美しい花々が沢山あります。大牟田市周辺では、四季を通して、様々な素晴らしい植物を目にすることができます。

2~3月:臥龍梅

2月下旬から3月上旬にかけて、三池山の中腹に位置する普光寺では、美しい臥龍梅の花が見られます。樹齢は、450年以上です。
(photo by: @machi__.trip

3~4月:桜

大牟田市の延命公園や甘木公園で、繊細な桜の花を楽しむのに最も良い時期は、3月下旬から4月上旬にかけてです。
(photo by: @0812mayu

4~5月:ツツジ

4月下旬から5月上旬にかけて楽しめる、大牟田市石炭産業科学館の見事なツツジをお見逃しなく。
(photo by: @ellbee65

5~6月:アジサイ

定林寺では、5月下旬から6月中旬にかけて、美しいアジサイが咲き誇ります。
(photo by @theeorganized1

11月:イロハモミジ

11月中旬から下旬にかけては普光寺の参道を散歩して、秋の紅葉を満喫しましょう。
(photo at Fuko-ji by: @omutahitomeguri

2. 地元の美味を試そう

こじんまりした都市ですが、大牟田市には、美味しい食べ物が沢山あります。

大牟田ラーメン

1949年、当時、炭鉱で活気を呈していた大牟田に岡山からやってきた4人の男たちがラーメンを伝えました。その大牟田ラーメンは、国鉄大牟田駅(現JR大牟田駅)前の屋台で提供されたのが最初で、すぐに人気となりました。太麺と濃厚な味わいが特徴の大牟田ラーメンは、当時の炭坑労働者に、現在は地元住民に愛されています。訪問時には、大牟田ラーメンを是非とも試してみてください。
(Photo by @wakotan47)

大牟田饅頭

大牟田では、炭鉱業と並んで、菓子づくりも盛んでした。ピーク時には、200店を上回る菓子店が営業し、長い1日の労働を終えた炭坑労働者に甘味を提供していました。ここからカステラ饅頭が生まれました。カステラ饅頭は、日本で人気の甘味、焼饅頭の元祖に当たります。明治時代に生まれたこの美味しそうなお菓子は、多くの甘い物好きの炭坑労働者に愛されました。
(photo by @omutahitomeguri)

お好み焼き「ダゴ」

大牟田では、お好み焼きは「ダゴ」とも呼ばれ、人気があります。実際、大牟田は、人口比当たりのお好み焼き店数が、日本で最も多い都市なのです。ある種象徴的なこの料理に関しては、どのお店にもそれぞれ独自のレシピがあり、いずれも美味しいです。是非とも何軒か食べ比べてみてください
(photo by @prof.sealion)

1. 日本の産業革命をとりまく歴史を発見しよう

世界文化遺産への旅は、大牟田市石炭産業科学館から始まります。石炭産業科学館科学館では、日本の近代の急速な産業化を象徴する「明治日本の産業革命遺産、製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業」について学べます。是非とも訪れるべき世界遺産としては、宮原坑、専用鉄道敷跡、万田坑、三池港があげられます。
(photo by: @hideki_tsukahara)

宮原坑

宮原坑と万田坑の両方で見られるのは、赤煉瓦が美しい明治の産業用建造物と、その横に立ち並ぶ金属製の機械群です。どちらの場所にも当時の機械類が残されており、鋼鉄製の櫓が高くそびえる竪坑も残っています(写真上)。1900年代はじめ、宮原坑は、世界でも最新鋭の強力なポンプ設備を誇っていました。

|アクセス
大牟田駅から車で10分

専用鉄道敷跡

石炭の生産・流通は、のどかだった日本の田園風景を、近代的な景色へと一変させましたが、石炭の大量流通には鉄道と電力が必要でした。三池炭鉱専用鉄道は坑口と三池港とを結び、大量の石炭を迅速かつ安定的に輸送し石炭流通を支えました。 (photo by @kyushu.ambassador)

|アクセス
JR荒尾駅から車で10分、または、万田坑前バス停下車徒歩1分

万田坑

宮原坑と同様、万田坑も、美しい赤煉瓦づくりの建物が人目を惹きます。1910年、万田坑では、英国から輸入した蒸気ポンプや巻揚機、通気用機器が稼働、当時の最高の技術が集結していました。
(photo by @kumamoto_to_the_world)

|アクセス
JR荒尾駅から車で10分、または、万田坑前バス停下車徒歩1分

三池港

三池港は、最先端の電化された港として、また、三池炭鉱から産出される石炭の積出港として建設されました。長い防砂堤を組み合わせた「ハミングバード(ハチドリ)」型の設計により、水深の浅い有明海の砂泥が航路に流入しないように工夫されています。大きな外港と内港を特徴とし、水圧式閘門によって内港の水位が保たれるため、大型船の入港が可能で、干潮満潮にかかわらず機械で石炭の積込ができました。
(photo by @omutaboy1961 )

|アクセス
大牟田駅から車で10分

このように、大牟田市には、見どころと体験できることが盛りだくさん。絶対に見逃したくない街ですね。

文:アナヒタ・マーディ
2012年から世界を旅行しブログを執筆。
オンタリオ州出身のカナダ人トラベルライター。
2016年からアジアへ移住、現在は日本在住。
https://www.adventurewithana.com/
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