明治日本の産業革命遺産
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PEOPLE

2019.11.14
Vol.35
韮山反射炉とともに後世に伝えたい「850年の歴史資料」 ~待望の新・収蔵庫が完成、保存・修復・活用に弾み

公益財団法人江川文庫 代表理事

江川家42代当主

江川 洋 氏
江川 洋 氏

■ジョン万次郎が撮影した日本最古級の古写真も保存

加藤:江川文庫が管理されている江川邸の文献資料の中には貴重な一次史料や記録、文化財が数多くあるんでしょうね。どのくらいの数があるんですか?

江川:中世以来残っている史料は約7万点あり、そのうち約4万点が重要文化財に指定されています。古文書が大半なのでが、そのほか書画、典籍(書物)、陶磁器、武具・武器、そして古写真も多く残っています。実は、まだ埋もれている資料がさらにあるのではないかと考えられています。

加藤:当時の古写真も残っているんですか?

江川:はい。そのなかには、ジョン万次郎が撮ったものもあるんです。ジョン万次郎は江川家に手代として仕えていた時期があるのですが、彼が再渡米した際に購入した写真機材で撮影したものです。

加藤:ええっ、それはスゴい!まさにお宝ですね(笑)。いつぐらいに撮った、どのようなお写真なんですか?

江川:侍たちが並んだ集合写真とか、ですね。1860年頃です。日本人が撮った写真としてはかなり古い方だと思います。

加藤:おそらく最古といってもいいんじゃないですか!本当にスゴい。それらの貴重な史料は公開されているのでしょうか?

江川:実は活用の前に、どうやって保存するかが大きな課題になっています。今は邸内にいくつかある古い蔵の中で分散して保管しているんですが、保存環境があまり良くないため、痛みの出てしまった資料もあるんです。ですから、ここ数年は保存のための活動を重点的に進めておりまして、ようやく今年夏に新しい収蔵庫が完成にこぎ着けました。まだできたばかりで建材から有害物質が放射されてるので、実際にそちらに移管するのは来年以降になります。そこから修復も進め、将来的には研究者の方などに公開できる環境を整えたいと計画しています。

加藤:オリジナルの保存とともに、アーカイブ化が急がれますよね。そうしないと、かけがいのない原史料の劣化は進んでしまいますから。記録を次世代に継承していくことは江川さんの重大な使命ですね。

江川:おっしゃるとおりで、アーカイブ化を進め、できるだけデータで提供する形にしようと考えています。なにしろ量が多く、開くだけで崩れそうな資料もたくさんあって苦労しています。実は11年かけてようやく目録が完成した段階でして、研究はまだ緒に就いたばかり。この先何百年かかるか、全くわかりません(笑)。

加藤:江川邸の建物自体が重要文化財ですよね。そうそう、韮山は日本で最初にパンを焼いたところと言われていますよね。

江川:一番始めというのは少し違うんですが、英龍が兵糧用の保存食として西洋のパンに着目して長崎の職人のところに手代を送って製法を学ばせ、さらには長崎からその職人を呼んで韮山の江川邸で実際につくったということのようです。初めてパンを焼いた日にちなんで、韮山では毎年4月12日を「パンの日」として、この日に近い週末には江川邸ではみんなでパンを焼いて楽しむイベントを開催しています。

加藤:お土産品で当時のレシピで再現したパンを売っていて、私もいただきましたが、すごく堅い(笑)。本当にいろいろなエピソードやストーリーがあるんですね。

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Vol.12
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Vol.11
「ものづくりの街・北九州」への愛着と誇り--"シビック・プライド"を呼び起こしてくれた世界文化遺産登録

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北橋 健治 氏
Vol.10
世界遺産登録決定祝賀会レポート(@ドイツ・ボン)

2015年6月28日から7月8日まで、ドイツ・ボンにて第 39 回世界遺産委員会が開催され、「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録が決定しました。

今回は、世界遺産登録決定祝賀会の様子をお伝えいたします。

<世界遺産登録の舞台裏>
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(一般財団法人産業遺産国民会議 理事)

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Vol.8
港湾法の体系で、世界遺産の保全を担保する

静岡県副知事

難波 喬司 氏
Vol.7
近代化を切り拓いた長州ファイブと試行錯誤の痕跡を残す萩の資産

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Vol.6
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Vol.5
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Vol.4
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強く豊かな国家を目指して 薩摩藩主島津斉彬が築いた『集成館』

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